18.クランクブリーザーシールの再生
C90全車両及び原動機番号C92E−934201までの59年初期型C92には、ロータリーブリーザータイプのクランクブリーザーが採用されています。
このロータリーブリーザータイプのクランクブリーザーは、Lクランクシャフトよりブリーザーシールを通ってダイナモステータベースの孔からクランクケース内部の背圧を排出しています。
このブリーザーシールを点検してみると単なる一枚物の汎用オイルシールに換えられていました。
当然そのような事をすると、ブリーザー孔を塞いでしまいクランクケース内圧が上昇してしまいます。
部品の持つ役割を考えずに間に合わせの部品に交換してしまうと結果的にはエンジン損傷の原因となりかねません。
無い部品は作るしかありません。
ダイナモステータベースの内径と幅を測定し、最も薄いサイズのオイルシールを探しました。
そのオイルシールを2枚抱き合わせ側面にブリーザー孔を開ける加工を施します。
ブリーザーシールを製作しダイナモステータベースに取り付け、クランクシャフトからブリーザー孔への通りが正常であるか、シールから外部への漏れが無いかを点検します。