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泉の森自転車店 |
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ハーネスの再生
ゴールドスターの配線は至ってシンプルである。シンプルに越したことはないのだが、そのままでは日本の車検制度には適合出来ない。私は18年前に、この ゴールドスターを通関証から自力で新規登録したのだが、その当時は今と違って検査もかなりアバウトで、「わかりました、後でやっときます。」が通用した が、今回はそう云う訳にはいかないだろう。と云う事で、車検対応の追加ハーネスを作らなければならない。
今日、日本橋に行って素材を探して来た。0.75sqの自動車用電線とケーブルチューブを用意した。
新規検査時は、間に合わせで72タイプフラッシャーを取り付けていたが、旧車=72タイプ、猫も杓子も、と云った感じであまり好ましくない。フラッ
シャーハーネス製作に合わせて、趣向を変えたフラッシャーを考えてみようと思う。
まずは素材の選択から。フラッシャーリレーはミツバのコピー品でタイのMISUBA、Tが抜けている人を馬鹿にした様な名前だが、それでも機能的には本
家MITSUBAにはかなわないが、何とかそれなりの仕事はしてくれる。フラッシャースイッチは、汎用3ポジションタイプの物を選んだ。
英国において、カフェレーサーに取り付けられているフラッシャーを見てみると、千代田の250型によく似た物が多く見られる。千代田と聞いてピンとくる
方は、かなりのベテランライダー(ヨーロピを知ってる方)だろう。最近ではCGCブランドで売られているので、CGCだと「あれか」とわかるかもしれな
い。
千代田の250型を探してみると、南海部品がオリジナルで販売していた。アルミダイキャストボディのバフ仕上げ、レンズは深目のアンバーで肉厚も充分
だ。キジマのCSタイプはレンズが薄く振動ですぐにクラックが入ってしまうので、これなら単気筒の振動に耐えられるだろう。
フラッシャースイッチのハーネスを引き直し、ハーネスチューブに通し両端をテーピングする。リレーからの電源ラインが赤色、右フラッシャーが黄色、左フ ラッシャーが青色になる。フラッシャースイッチは、トップヨーク上のハンドルバークランプにアクセサリーバーを取り付けて、そこに設置した。
フラッシャーのハーネスを左右で色分けする。既存のハーネスは黒二赤が使われているので、ターミナルの金具だけを取り外して再利用する。左が青色、右が 黄色の新しいハーネスをハンダ付けし、バルブホルダーに、絶縁プレート、スプリングを入れて組み立てる。
フロントフラッシャーランプにアースラインを増設した。フラッシャーランプボディーのバルブソケット取り付けビスに丸型端子(R1.25ー3S)を接続 する。ラインはコードチューブに通し、ボトムヨーク上部を通ってランプシェル後部へと延びる。
フロントフラッシャーランプを何処に取り付けるか?以前はヘッドランプの取り付け部に付けていたが、ゴールドスターの個性的なヘッドランプ周りの造形が 損なってしまうので、ヘッドランプ周辺を避けてフォークボトムヨークに移設しようと考えた。発想は、今風のシングル(250TRやFTR223)のカスタ ム車からヒントを得た。
実際にフラッシャーランプを取り付けてみると写真の様な感じだ。フォークボトムヨーククランプボルト後部にブラケットを介し、アルミ削り出し10mm
ショートステーにフラッシャーランプを取り付けた。
フラッシャーユニットのステーはアルミ削り出しのショートステーに変更した。フロント側はボトムヨークからブラケットを介しているので10mmが利用出
来たが、リヤ側はリヤマッドガードステー取り付け穴に直接付けるので8mmになってしまう。10mmのステーはネジ部がスタッドボルトでナット掛けするタ
イプなので複線でビレットを止めてからでも取り付け可能だが、8mmのステーはボルト止めなので複線を通す事が出来ない。折角バルブホルダーに増設した
アース線が無駄になってしまった。リヤ側はアース線を8mm丸型端子でアースする方法に変更する。
リヤフラッシャーユニットを取り付けた。後方からの見通しも良好で、後部座席に乗車しても足下が当たったりせず大丈夫だ。あとはフラッシャーリレーのス
テーを加工しなければならない。
ルーカス純正のストップテールランプをリヤナンバープレートに取り付ける。ルーカスパターン(レプリカ品)や、純正レンズのみだと容易に入手出来るが、
ストップテールランプアッセンブリーは希少だ。純正品はメッキの仕上げも良く、ホルダーの造りもしっかりとしている。
ゴールドスター入手時のリヤナンバープレートはリフレクター取り付け部が無いタイプだったので、今回、継続検査に対応すべく、リフレクターを取り付け出
来るタイプの物を用意した。リフレクターにはアンバーとレッドの2種類があるが、日本の法規(道路運送車両の保安基準)に合わせてレッドを取り付けた。
道路運送車両の保安基準に関しては、後日、詳しく(旧車再生に係わる重要な部分を抜粋して)説明しようと思っている。
メインハーネスに負けず劣らず、クラシカルな雰囲気になるよう意識して、フラッシャーハーネスを製作した。右側がヘッドランプシェル内に延び、黄色と青 色がフロントフラッシャーランプとフラッシャースイッチへ、赤色がフラッシャースイッチの電源、黒色がランプシェルにボディーアースする。左側がバッテ リーケース側に延び、丸型端子がバッテリーに接続、平型端子がフラッシャーリレーに接続、黄色と青色がリヤフラッシャーランプに接続する。
ゴールドスターのハーネス接続にはビレットの呼ばれる端子とスリーブが使われている。それに加え、ダイナモとレギュレーターにはスプリットビレットと呼
ばれるテーパー状の切目の入った端子が使われている。ビレットに関しては、何処でも入手可能なギボシ端子でも機能的には問題ないが、質感では真鍮製のビッ
レットが勝る。そこで英国からビレットを取り寄せた。
ダイナモとボルテージレギュレーターの配線を結線する。ダイナモ側のF端子に緑色を、D端子に黄色を結線する。
ボルテージレギュレーター(LUCAS RB108)には、ツールボックスの形状によってマウントの形状が2種類存在する。レギュレーターボックス自体
にステーが付いているタイプが古いタイプで、ツールボックスにステーが付き、レギュレーターボックス両サイドにラバーマウントが付くタイプが新しいタイプ
だ。
ボルテージレギュレーターへの結線は、D端子が黄色、E端子が黒色、A端子が紫色、F端子が緑色となる。D端子とF端子はダイナモへ、E端子はアース
へ、A端子はライティングスイッチへと繋がる。