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泉の森自転車店
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クラッチの再生

 プライマリーチェーンケースバックサイドのギヤボックス側にフエルトワッシャーを入れスライディングプレートを取り付け、クランクケース側にガスケットを付けてクランクケースに3本のボルトでケースを固定する。
後方はフレームとの間にスペーサーを咬ましてボルトナットで固定する。

 クラッチスリーブにカラーを圧入しクラッチプレートを取り付けるところまで完了した。
次にクラッチホイールを組み立てる。
クラッチホイールには回転軸に組み立て式のダブルボールベアリングが使われている。
二列の溝があるクラッチボールレースインナーリングにボールレースリテーニングリングを取り付け、クラッチホイールの内側にボールベアリングのボールを縮めながら挿入する。
ボールを均一に縮めておかないと直ぐにリテーニングリングがインナーレースから脱線するので、この作業結構手こずった。

 事前に準備しておいたクラッチスリーブをメインシャフトに挿入し、そこにクラッチプレート、クラッチホイールを取り付ける。
次にクラッチドリビングプレートセンターを取り付け、クラッチドリブンプレート、クラッチドリビングプレートを5枚ずつ交互に嵌めていく。
最後にクラッチアクチュエーティングプレートを被せ、6つの穴にクラッチスプリングキャップを嵌め、クラッチスプリングを取り付ける。
クラッチスプリングリテーニングナットは、六角ナットを掛けてからナイロックナットを掛けてダブルナットで緩み止めされる。

 前回組み立てたクラッチに誤りがあったので修正する。
パーツリストにはクラッチスプリングリテーニングナットは12個となっているが、これはナットをダブルナットで使用する場合であり、ナイロックナットを使用する際は6個を使用する様だ。
 クラッチを修正し次にエンジンスプロケットを組み立てる。
ベアリング、スプロケット、スリーブ、スプリング、ワッシャー、ナットの順に取り付けナットをリングスパナで締め付ける。
 最後にプライマリーチェーンの取り付け。
エンジンスプロケットを21Tから23Tに変更したのでチェーンを長い物に交換する。
チェーンの駒落としはレイノルズのチェーンカッターを久し振りに使った。

 ハンドルにクラッチケーブルを取り付けて、初めて解ったのだが、どうやらクラッチストロークがおかしい様だ。ギヤボックスのクラッチプッシュロッドレ バーの取り付け位置に問題が無いので、クラッチスリーブか、クラッチプッシュロッドの長さが足らないか、クラッチアクチュエーションプレートのオフセット が考えられる。ツインモデルのA10の部品が混在しているのか?それとも紛い物の部品が混ざっているのか?最近、クラッチプッシュロッドのみハギスさんの 店から取り寄せたので、クラッチプッシュロッドに関しては間違いなく適正な部品だという確証があるが、その他の20年ほど前に日本国内で購入した分は非常 に怪しい。そこでまず、折角組み立てたクラッチアクチュエーションプレートを取り外して比較してみた。写真では判りにくいが、明らかにオフセットが大き過 ぎる。やはり部品の調達は、少々高くついても信頼の出来る英国のゴールドスター専門ショップから取り寄せるのが賢明なのだろう。