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泉の森自転車店
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 Benly125さんのご依頼で58年初期型C90の再生修理を承りました。
私のC90と同じく58年型の市販車初期ロット車輌です。
不具合の症状は、左マフラーからの白煙、左シリンダーからのピストンサイドノック異音
、クランクシャフト回転異音です。
エンジンを脱着してフルオーバーホールします。
まず、エンジンを取り外す前に破損したセンタースタンドを予備部品と取り替えてエンジン脱着作業が出来る環境にします。

 写真右側はC92用です。
プレートで補強された頑丈な構造ですが重量は増加しています。
因みに、58年初期型C90(昭和33年7月発売)の車両重量は115kg、59年初期型C92(昭和34年2月発売)の車両重量は120kg、63年型CV92(昭和38年9月発売)の車両重量は130kgです。

 エンジンを取り外して分解作業に掛かります。

 写真のように左コネクティングロッド大端部のローラーが顔を出しています。
(左写真の右側に写っているコンロッド大端部の右サイドに丸く光っている部分がローラーです。写真下側がエンジン前方。)
小端部スラスト方向に3o以上の大きなガタがあります。

 下側の写真は左がbenly125さんのクランク、右が私のC90に付いていたクランクです。
私のは、すでにコンロッドとクランクピンを交換済みのようです。
原動機番号C90E-915697以降はクランクピンウエイトが2枚物に変更されオフセットオイルフィルターからクランクシャフト直結のオイルフィルターに変わります。
因みにbenly125さんからお預かりしている資料によると、クランクシャフトは昭和33年7月発売から昭和33年11月30日までの間に計6回の変更を受けているようです。

 懸念されていたシリンダーヘッドのカムシャフトジャーナルですが、こちらも若干のダメージがあります。
ホーニングしてカムシャフトにガタが多いようでしたらスリーブ加工が必要でしょう。 



 コネクティングロッドの修理の為に、クランクシャフトからタイミングスプロケットとプライマリードライブギヤーを外します。
プライマリードライブギヤは、16oロックナットさえ緩めば軽く抜けますが、タイミングスプロケットは、かなり嵌め合いがきつく簡単には抜けません。
タイミングスプロケットを少し暖めてから頑丈なプーラーを使い取り外します。
タイミングスプロケットのノックピンを抜くのも一苦労です。