Restore Shop |
泉の森自転車店 |
Home | Products | Restoration | Collection | Information | Order | Archives | Link | Brog | BBS |
Benly CV92 Engine (1964)
650RSさんのご依頼で64年型CV92のエンジンを分解修理します。
山岳登坂路をアクセル一杯で走行中に「パシュッ」と云う音と共にエンジンが停止し、停車後、再始動しようとしてもキックが下りない状態になったそうせす。
少しエンジンを冷ましてから再始動を試みるとエンジンは始動し自走で帰還出来たのですが、それ以降どうもエンジンの力が無く、エンジン内部にダメージがあるのではないかと懸念し分解点検する事になりました。
さて、エンジン内部がどのようになっているかです。
650RSさんが以前にクラッチをオーバーホールした際、エンジン内部から多量のオイルスラッジが出て来たそうです。
右クランクケースカバー側から清掃はしたものの、全ては取り切れてはなさそうで、クランクケースを分解して潤滑系統の点検と整備が必要です。
エンジン抱きつきを起こした様ですので、シリンダーを取り外し内部を点検してみます。
写真の様に左シリンダーピストンに深い摩耗痕が見られます。
左右気筒共にピストントップリングが固着し、リングの外周が半分以下に異常摩耗していました。
抱きついた痕跡のある左気筒ピストンリングには折損がなかったのですが、右気筒は約1/3が掛け落ちていました。
このCV、650RSさんが購入、公道復帰後に50km程一緒に走りに行きましたが、エンジン打音は認められませんでした。
しかし、エンジン内部がここまでなっているとは...
カーボンスラッジ恐るべし!です。
オイル潤滑系統のチェックと、徹底的なスラッジ清掃が必要です。
クランクケースを分解し、アンダーケースを見ると真っ黒なスラッジが残っていました。
ミッションはギヤ自体の摩耗は進んでいませんがベアリングが円滑ではありません。
気合いを入れて下半身の大掃除です。
今日はアッパークランクケースのヘドロを約2時間掛けて掃除しました。
次はアンダークランクケースを掃除します。
上の写真と比較して下さい。
これで安心です。