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泉の森自転車店 |
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Benly CV92 Engine (1964前期)
東京のSさんからのご依頼でエンジンミッションの整備を承りました。
不具合の症状は高回転時に2度ほど後輪がロックしたそうです。
停止後再始動出来、ニュートラルでは問題ないが、シフトすると振動が発生し不具合が出るようです。
送って頂いたエンジン単体を点検します。
分解前にクラッチを取り外し、ミッション単体の作動確認をすると3、4速間でギヤ抜けの症状が出ます。
シフトフォークが傷んでいる可能性があります。
ギヤ自体の噛み込みはないようですから、後輪ロックはシリンダーピストンに問題があると考えられます。
シリンダーを取り外してピストンを点検します。
写真のように左右ピストンに抱き付き痕が見られます。
このピストンはスカート部がカットされていません。
C92用ではないようです。
外径が49mmですからC95用です。
154ccにボアアップされています。
Sさんにお聞きしたところ、キャブレターはTKのベンチュリー径18mmがノーマルセッティングのまま付いているそうです。
希薄燃焼でオーバーヒートさせた可能性が濃厚です。
シリンダーヘッドを確認するとCV92のヘッドが付いています。
燃焼室は研磨して広げられていました。
C95は熱対策でビッグフィンになっていますがCV92のヘッド加工では放熱性に問題があります。
相談の結果、ボアダウンは残念ですが安全性を考えて125ccに戻す方向で作業を進める事にしました。