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泉の森自転車店
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 肉屋のおじさんと別れた後、永登浦駅に戻って地下にあるアウトレットの本屋に立ち寄った。ここは本屋とは名ばかりの、地下鉄切符売り場の前にあるスペー スにワゴンを出しただけの店で、売れ残りのアウトレット品を安価で扱っている。どれが最新作であるか皆目見当の付かない私には、同じ金額で何冊も買えるこ う云った店の存在は有難い。初めて来た時にはポケット版の日韓辞典を買った。韓国の友人にコメントとサインを書いて貰って、今でも愛用している。
 アウトレットの本屋を左に曲がると階段が有り、階段の途中辺りから所狭しと店舗が並んでいる。昨日階段の途中に有る鞄屋でショルダーバッグを買ったのだが、後でよく見ると日本の吉田カバンだった。値段は5万ウォンだったから定価の半分以下だろう。
 地下街は永登浦市場の方角に向かって延びている。駅前交差点の真下辺りが広くなっており、その周辺の店舗は比較的に売り場面積も広く、携帯ショップや CDショップといった流行の品物を置いている店が並んでいる。初めて韓国に来た時はポケベルが全盛期であったが、ここ韓国でも4、5年前から携帯が急速に 普及している様だ。並べられている携帯を見ていると、買って帰りたい様な斬新なデザインの物が沢山有る。
 国道の反対車線に上がる出口の辺りから地下街は細長く延び、左右には衣料店がずらりと並ぶ。この街は交通の要衝なので学校帰りの学生がよく立ち寄るのだ ろう。若者向けのカジュアルなデザインの物が目立つ。どの店も当店オリジナルのデザインが有る様で、一旗揚げようと前向きに頑張っている様だ。
 日本を出る時はジャンパーがいるほどの気温だったが、韓国に来てからは天気が続き暖かくなってきている。昼間は半袖のシャツが必要なぐらいだ。明日に備 えて半袖のシャツを買って置く、それと靴下も買おうと思っていたが、靴下はどの店にも置いていなかった。 地下街を一巡したので今度は地上に上がり、焼き 肉屋などが並ぶちょっと広い目の路地に入ってみた。路地が有るところには必ずと言っていいほど露天商がいる。アクセサリーを売る者、はたまた怪しげな朝鮮 人参をすり潰したドリンクを売る者、そうかと思えばその傍らには小洒落たカフェが有ったりするから面白い。美観もへったくれも無いピンとキリが共存する街 が韓国と云う国なのだろう。パワフルでバイタリティーに溢れる国民性が羨ましくも思う。
 一見、バーの入り口の様なネオンを掲げたネットカフェ(PCバン)に入ってみた。暗く怪しげな階段を登り扉を開けると、中には至って普通の身なりをした 受付係りが居て、丁寧に案内してくれる。貰ったIDカードの暗証コードを入力してネットに接続する。当然、全てハングルなので、そのままでは日本語でメー ルを送信出来ない。こっそりとウインドウズの設定を変更して日本語IMEを追加してやった。それで試しにブログの更新をやってみる。上手くいった、成功 だ。
 PCバンを出て国道に抜ける路地を歩いていると、日産のスカイラインが停まっているのが見えた。韓国で日本車を見るのは初めてだ。映画や音楽は早くに規 制解除されているが自動車は今でも輸入規制の対象となっている。韓国籍の人が日本で使用していた物は持ち帰る事が出来るそうだが、商用での輸入は出来ない はずである。スカイラインを眺めながら、どんなルートで入って来たのかと想像してしまった。
 路地を抜け、国道の広い通りに出ると、バス停に路線バスがひっきりなしに到着して来る。ソウルは人の往来が激しい。人口の1/4がこのソウルに住んでい るのだから当然と言えば当然だが、それにしてもこの活気は凄まじい。ここで反対車線の駅前に向かう為に再び地下道へと降りた。