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泉の森自転車店
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 エンジンを搭載し各部の点検を行います。
この時点での不具合箇所はフューエルコック、キャブレターフロート、フロートバルブ、スロージェット、スターターモーター、コンデンサー、プラグサプレッサー、バッテリー、ヘッドライト、ポジションランプ、ホーン、ウインカーリレー、等々、三体の御不動様を合体する訳ですから多数の不具合は仕方がありません。
エンジン始動に最低限必要な箇所から改善していきます。

 エンジン始動に最低限必要な箇所とは?
「ヘッドライト、ポジションランプ、ホーン、ウインカーリレー」がバッテリー電源電圧に関係する場合は全てという事になります。
効率良く故障診断を進めるには、間接的な部分を消去法で除外し、エンジン始動に直接関係の有る部分を診断します。
 バッテリー単体の機能テストで不具合がありましたので、テスト用の満充電されたバッテリーを車体に取り付けます。
上記の「ヘッドライト、ポジションランプ、ホーン、ウインカーリレー」を使用時にバッテリーの電源電圧が著しく低下する場合は該当する部品の不具合(短絡等)が考えられます。
エンジン始動に直接関係しませんので不具合箇所は回路から切り離して後ほど各部を点検します。
 エンジン始動に必要な燃料供給から点検していきます。
フューエルタンクに燃料を入れてもキャブレターフロートに燃料がきません。
フューエルコックからフューエルホースに燃料がきませんのでフューエルコックを分解し点検します。
コック内部で燃料が固まり詰まっていました。
フューエルホースに燃料が通るとキャブレターフロートから燃料がオーバーフローし始めました。
フロートチャンバーを外してキャブレター内部を点検します。
キャブレター内部も燃料が固まり詰まっていましたので各ジェット類、エアースクリュー、ラインを清掃し、フロートとフロートバルブを交換し組み立てます。

 次に点火回路の診断です。
コンデンサーがパンクしていましたのでコンデンサーユニットを製作してフレームに取り付けました。

イグニッションコイルは一次側が正常値より高く、二次側は左サプレッサー部分が断線していました。
左サプレッサーを新品に交換し二次側を測定すると二次側は正常値に戻りました。
ここでエンジン始動を試みます。
エンジンは始動しましたが暖機後イグニッションコイル一次側の抵抗が上昇し点火電圧が低下し始めました。
キーオン時のバッテリ電圧低下も大きいようです。
イグニッションコイルを交換します。
 エンジン始動確認が取れましたので、その他の電装品を順に点検します。
ヘッドライトはディマースイッチのIGラインの導通不良が原因でした。
K5以降の車輌には、フロントにポジションランプが装備せれていないので、配線は空きとします。
ホーンはホーン本体にバッテリー電圧が掛かっており、ホーンボタンの導通がOKなのでホーン本体の不具合と判断しました。
ホーン本体を分解しホーンのコンタクトポイントを清掃しアーマチュアのクリアランスを調整します。
ウインカーはフロントウインカーステーにアースポイントを増設しヘッドライトステーにグランドさせました。
ウインカーリレーは汎用の「MISUBA」リレーに交換します。
昔は「MITSUBA」だったと思うのですが...
ウインカーが正常になるとメーター内のインジケーターランプも正常に作動しました。