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泉の森自転車店
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 バルブを取り外し当たり面を点検します。
写真のようにインレットバルブシートが欠け損傷しています。
試しにバルブシートカッターでシート研磨してみましたが大きな傷の2箇所は欠けが深く修正不可能でした。
バルブガイド、バルブシートリングを入れ換えなければなりません。
バルブも当たり面が摩耗し傘の先端が伸びてしまっています。
バルブガイドの異常摩耗によりバルブが振れていたのが原因と考えられます。
シリンダーヘッドの内燃機加工が必要です。

 クランクケース内部の各部品もダメージがあるようです。
ほぼ全てと言っても過言ではないくらい多くの部品に錆び腐食が見られます。
キックスタータースピンドルもご覧のようなありさまです。
シフトドラムとシフトフォークの摺動面も浸食しています。
アルミ部品のクランクブリーザーとクラッチ廻り以外は総入れ替えになりそうです。

 良品を一点づつ厳選し再生していきます。
初期型のネックポイントでもあるキックスタータースピンドルは後期型の物を利用します。

 煙突式ブリーザーの組み付けにも不具合がありました。
ブリーザーセパレーター脱落防止の役割を兼ねたシフトドラムストッパースプリングが後期用の爪の短い物にすり替えられています。
しかもセパレーターの取り付け位置を90°ずらしてキックリターンスプリングに無理矢理引っ掛けていました。
この時期のシフトドラムストッパースプリングは特殊な部品(59年後期から61年後期までの間しか使われていません。)ですから、部品を調達するにはスプリングを単品製作するか、希少な煙突式ブリーザーエンジンを分解するしかありません。
スプリングの先が長いのが煙突式ブリーザー用のシフトドラムストッパースプリングです。

 腐食の進んだシフトドラム、シフトフォーク、メーンシャフト、カウンターシャフトは良品に交換します。
キックスターターギヤとカウンターシャフトのギヤ間奧に見えるのがブリーザーセパレーター脱落防止用のシフトドラムストッパースプリング先端。