翌朝は１１時頃までホテルでゴロゴロとしていた。
このままホテルでゆっくりして居たい気もするが、それではあまりにも勿体無い。
重い腰を上げて出掛ける事にした。
特に行く当ては無い。
ホテルを出て、人が一人やっと通れる様な路地へと向かう。
一種独特の風情、これぞ釜山の下町といった感のする路地を下って、学校の裏へと出て来た。
雑貨屋の角を右手に折れて少し行くと大きな通りに突き当たる。
ここまで来て、ふと、釜山港に行って見ようかという気になった。
大きな通りに掛かる歩道橋を渡って車の往来を眺める。
日本人の目から見ると韓国の車は平凡なスタイルでインパクトに欠ける。
サンヨンのコランド(韓流ジープ)以外は、タクシーに使われているヒョンデ(ヒュンダイ)の乗用車と変わらない。
地下鉄中央洞駅の近くまで来ると左手に釜山税関の建物が見える。
広い通りの裏手にたい焼きを売る店が見えた。
韓国のたい焼きはどんな味なのだろうか？
気になるので買ってみた。
紙袋にたい焼きを入れて貰い、途中でコーヒーを買って、遊覧船乗り場横の公園でベンチに座り、たい焼きの味見をする。
それにしても寒くて仕方がない。
あっと言う間に、先程買ったたい焼きが冷たくなってしまった。
あんが少なく甘さが足りない。
コロモも硬く、栄養失調の養殖の鯛の様だ。
期待外れの｢養殖鯛焼き｣と言った感じ。
この公園のベンチの周りには縦長の四角い箱が置かれている。
火鉢の様な感じがする。
イベントか何かの時に炭を入れて暖を取るのだろうか？
炭で汚れた箱を見ていると、こんな寒い所でじっとしているのが馬鹿らしくなって来た。
関釜フェリーの客船が見える景色の良い公園ではあるが、こう寒いと長居は出来ない。
寒さを凌げる建物は無いか？
少し先に｢旅客船ターミナルビル｣が見えている。
時間が無いので船には乗る気は無いが、機会が有れば船旅もしてみたいので偵察に行く事にした。
