旅客船ターミナルのガラスの扉を開けて中に入って驚いた。
外からは人の気配が無い様に感じたのだが、中は乗船を待つ乗客で一杯だった。
出発時間を案内する電光掲示板には、見た事の無い地名がギッシリと並んでいる。
待合所の中央には観光案内所が有り、観光地のパンフレットが並べられている。
一冊頂いてパンフレットの地図を広げてみた。
適当な距離に在る船の到着地(コジュ)を選んで案内嬢に所要時間と便数を聞いてみた。
所要時間は片道1時間程で、1時間間隔で発着しているらしい。
「今度来た時は是非ともコジュへいらっしゃって下さい。」
そう言って私に「거주」と書いたメモ書きを手渡してくれた。
暖かい旅客船ターミナルを出ると外は冷たい風が吹いていた。
正面には今夜のカウントダウンの会場である龍頭山(ヨンドサン)が見えている。
昼から友人に会う約束をしているが、それまでには時間に余裕が有る。
ホテルに戻っても暇なので、西面(ソミョン)の街に出る事にした。
中央洞(チュンアンドン)駅から地下鉄に乗り西面で下車する。
改札を出て繁華な地下街を歩く。
左右には小さいけれどもセンスの良い店がズラリと並んでいる。
日本の女性には「目に毒」ではないかと思う。
日本でなら3万円位しそうな服が半分以下の値段で売られている。
地下街から地上に上がるとちょうどその隣にPCバンが在った。
年末最後のブログ更新の為にそのPCバンに潜入した。
昨日と同じくここも日本語入力が出来なかった。
PCを打っていると友人から電話が入った。
1時間程で釜山に到着するらしい。
ホテルに戻って1階のカフェで会う約束をした。
地下鉄中央洞駅で降り、四十階段を上ってホテルに着いたのは1時半頃だった。
2時に1階のロビーに在るカフェで友人と再会した。
友人はこの後、実家に戻って夕方にはクムサンに帰ると言う。
コーヒー1杯で釜山まで呼び出して申し訳ないと思う。
高速バスに乗って5時間ほど掛かるらしい。
30分ほど話しをして友人は実家へと帰ってしまった。
今夜は龍頭山でカウントダウンのイベントを見ようと思っている。
昨日はかなり歩き回ったので、この後はホテルでくつろぎたい気分になって来た。
ホテルの部屋に戻ってテレビを見ていると、うつらうつらとして来た。
目が覚めると8時を少し回っていた。
今から街を徘徊するには中途半端な時間だ。
テレビを点けると大晦日の特別番組がやっていた。
レコード大賞のような番組、映画俳優の授賞式、日本とあまり変わりは無い。
9時過ぎになって腹が減ったので、食事をしにヨンジュ市場に出掛けた。
おばさんの食堂の前まで行くと、おばさんが出て来て「今日は大晦日だから、もう店を閉めるよ。」と言う。
残念だ。
「セへ・ポン・マニ・パドゥセヨ!」
おばさんに年越しの挨拶をする。
明日は日本に帰らなければ...
仕方がないのでホテルの近くで一人寂しく食事を済ませた。
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