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泉の森自転車店
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 慶州駅は古都にふさわしい、美しい屋根瓦の駅舎だった。駅前の広場には緑の植え込みが有り、地元の年寄りがベンチに座りくつろいでいる。


 さて、これからどちらへ向かおうかと思案していると、タクシーの運転手が片言の日本語で客引きにやって来た。残念ながら私はタクシーに乗るつもりなどさ らさら無い。かと言ってどの方角に何が有るかも見当が付かない。適当にタクシーの運転手をあしらって、駅前の目抜き通りを当てもなく歩き始めた。
 とりあえず、今日泊まる宿を探そうと思う。目抜き通りの花郎路の沿道には様々な店舗が並んでいる。人通りも多く平日の昼間とは思えないほど街は活気に溢 れている。右手に警察署が見え、300M程歩くと大きな交差点に出た。左手の歩道に色鮮やかなパラソルが並んでいる。野菜や果物を売る露天商の様だ。

 交差点を過ぎると街の様相が急変した。事務所の様な建物がちらほらと見える以外は民家で、人気も疎らとなって来た。街の外れまで旅館など無いのかと諦めかけた頃、ようやく1軒の旅館らしき建物が見付かった。
 道路の反対側に渡りたいのだが横断歩道も信号も無い。道幅も広く重いバックを抱えて反対側に渡るには決死の覚悟が必要だ。いくら待っても車の流れは途切れようとしない。一旦センターラインまで渡って、反対車線の車が無くなるのを待って何とか渡り切る事が出来た。
 反対車線から見えていた旅館らしき建物、確かに旅館の看板は上がっているが入り口がどこだか判らない。ここはパスする事にしよう。
 その先を少し進むと数軒の飲み屋が見えて来た。その内の一軒は漢字の看板が掲げられている。近くにバスターミナルが有るのだろうか?そんな気がして来た。
 飲み屋のある通りを進むと右手にバスターミナルが見えて来た。建物には慶州市外バスターミナルと書かれている。
 宿を探す前に観光地を巡るバスがないか調べておこうと思い、ターミナルビル(と言っても鉄筋2階建て)に入ってみた。建物の中は少し薄暗く、左手に舗道 菓子(ポドカジャ)の売店、階段を挟んで切符売り場が 並んでいる。何処かで見た事の有る様な懐かしい風情の建物だ。行き先を見るといずれも市外や長距離バスで、仏国寺などの観光地を巡るものは見当たらなかっ た。待合所のベンチに座り缶ジュースを飲んで少し休憩してから、今晩泊まる宿を探しにバスターミナルをあとにした。
 バスターミナルの近くに観光旅行社が有り、その建物の前の歩道に恰好の良いミニバイクが停まっていた。持ち主が居れば話しを聞いてみたいのだが、残念な事に持ち主が見当たらない。勝手で恐縮であるが1枚だけ写真を撮らせて貰った。